万能とは言えない面も

経済が活発であれば、その動向を分析することでより効率的なビジネスは生み出されていきます。一方で活気そのものが失われ、経済活動に陰りが見え始めると、市場分析はより微細な解析にとらわれて、結果としてデータマイニングは成果を発揮できなくなります。

例えば、口コミがテレビCM並みに宣伝効果があると言われた時期がありました。しかしそれも、一定に普及すれば、それを目にする属性が固定されてしまい新しいニーズを発掘する効果は失われていきます。
もちろんテレビCMでも同じことが起きています。視聴率が結果ではなく、目的になった瞬間から、番組の作り方が変わりました。使い勝手の良い役割りを演じられるタレントが重宝されるようになったのです。芸に対する強い意識には即効的な視聴率増加は見込めません。そこで、ウケる手法という受動的な流れになったのです。
そして、娯楽としてテレビが大きな役割りを果たしていた時代が終わり、人々は様々な時間を過ごします。そんな中では情報収集が難しくなり、データマイニングも困難になる可能性があるため、ますます衰退していくことも考えられるようになるのです。

活発だからこそという最初の原則がなければ、データマイニングも不発に終わるだろうし、活発を維持させていく上でも受動的な分析で終わってはいけないのです。手放しで今後の経済活動が活発になることを期待するのは難しいでしょう。だからこそ、分析が鈍化のキッカケとなるのではなく、新しい時代を生み出す役割を担うよう扱うべきなのです。